七つの子

七つの子

七つの子 Seven children

「七つの子」は、大正10年(1921年)の「野口雨情第1童謡集・十五夜お月さん」に初めて掲載されました。その後、すぐに児童雑誌の「金の船」(後の「金の星」)に掲載され有名になりました。「七つの子」の「七つ」とは、七羽のカラスのことや、七才のカラスのことなど、様々な説があります。ではどちらが正しいのでしょうか?

七羽のカラス Seven crows

カラスの卵の数は普通個から5個で、7個もの卵は産みません。まして、産んだ卵が全て孵化するのはまれなことです。よって、七羽のカラス説は否定されます。

七才のカラス Crow of seven years old

カラスの平均寿命は~7年ですが、卵が孵化しても厳しい自然の中で生き抜くことは至難の業で、約1年後の繁殖期まで、その大半は育ちません。よって、七才のカラス説も成り立たなくなります。では、この「七つ」とは一体なんの事なのでしょうか?

七五三説 Shitigosan Theory

雨情はこの「七つの子」を人間の才の子にだぶらせて書いたとも言われています。「七つの子」には七五三の風習が隠されていたのです。
神様の加護により才まで生きられた、才まで育った、才を無事に迎えられたという、喜びとお礼参り、今後も元気に生きていけますようにという願いこそが、七五三を生み、育んできました。才を迎えると、そろそろ抵抗力もついて、これからは何か変化が起こらない限り、すくすくと育っていけるという特別の意味がありました。つまり「七つの子」になって、親はやっと胸を撫で下ろすのです。そういった親の想いを詩に表したのではないでしょうか。

歌詞 Lyrics♪

烏なぜ啼くの 烏は山に 
可愛七つの 子があるからよ
可愛可愛と 烏は啼くの 
可愛可愛と 啼くんだよ
山の古巣へ いって見て御覧 
丸い目をした いい子だよ

作曲:本居長世